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大原美術館
〒710-8575 岡山県倉敷市中央1-1-15
一般財団法人クラレ財団助成 エル・グレコ《受胎告知》修復後初公開 ―プレ再展示― Preview of El Greco's Annunciation after Its Restoration Subsidized by Kuraray Foundation.

公益財団法人大原芸術財団は、クラレグループ100周年事業の一環として、2025年7月より一般財団法人クラレ財団の助成を受け、所蔵するエル・グレコ《受胎告知》の修復事業を実施いたしました。

16世紀半ばから17世紀初頭にかけてイタリア、スペインで活躍したギリシャ出身の画家エル・グレコ(本名ドメニコス・テオトコプーロス)。地中海の偉大なる三文化に育まれた彼の絵画を修復するにあたっては、豊かな経験と高い技術力を誇る専門の修復家をスペインのプラド美術館から招聘し、弊財団の研究員・学芸員をはじめ、多くのスタッフが共同して取り組みました。

修復作業の完了を記念した正式な再展示は、2026年4月からを予定しておりますが、この度、修復後の《受胎告知》の姿をいち早く皆様へお届けすべく、「一般財団法人クラレ財団助成 エル・グレコ《受胎告知》修復後初公開 ―プレ再展示―」を企画いたしました。本展示では、修復を経て、エル・グレコが描いた当初に限りなく近い姿へと蘇った《受胎告知》をご覧いただくのはもちろんのこと、今回行った修復作業の詳細をお伝えすることで、絵画修復という仕事についてもご紹介いたします。

また、この作品は、1922年にパリのベルネーム・ジュヌ画廊で洋画家児島虎次郎が大原孫三郎の経済的支援を得て購入し、1923年にここ倉敷で公開して以降、100年を超えて日本の人々に愛されてきた一枚です。開館当初から、大原美術館の顔のひとつとして親しまれてきたエル・グレコの《受胎告知》について、改めて知っていただく機会となれば幸いです。

 


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エル・グレコ《受胎告知》について

スペインの巨匠 エル・グレコ

16世紀半ばから17世紀初頭にかけてイタリア、スペインで活躍したギリシャ出身の画家エル・グレコ(本名ドメニコス・テオトコプーロス)。
生地クレタ島でビザンティン様式を修めた画家として活動した後、1567年頃イタリアへ移住し、ヴェネツィアやローマでヴェネツィア派の色彩やマニエリスム的な身体表現を学びました。
1576年頃スペインへ渡ってからは次第に独自の画風を形成し、古都トレドに工房を設けて数々の傑作を生んだ大画家でしたが、死後は時代の趣味にそぐわず、忘却の途にありました。
しかしながら、19世紀末になると、パブロ・ピカソなど特に前衛的な芸術家たちによって賞賛され、1910年代には表現主義の先駆者として高く評価されます。こうした文脈は同時代のヨーロッパで美術を学んだ児島虎次郎も共有しており、1922年、パリのベルネーム・ジュヌ画廊でこの作品を見出だし、倉敷まで持ち帰ったのです。


大原美術館が誇る傑作 
エル・グレコ《受胎告知》(1590年頃-1603年)


キリスト教美術の長い歴史のなかで無数に描かれてきた「受胎告知」。
聖母マリアが神の子イエスを受胎したことを、大天使ガブリエルが告げる重要な場面です。エル・グレコは、これを、深い闇が渦巻く中、閃光と共に舞い降りる聖霊の鳩、そして緊張感あふれる面持ちで相対する天使と聖母という劇的な情景として表しました。
本作は、戦前から日本に存在した唯一のエル・グレコの油彩画として、1923年にこの地で公開されて以降、人々の心に大きな感動を生みだし続けています。


※ここに掲載されている作品画像は修復前の状態を撮影したものです。
 修復後の作品の姿は、ぜひ美術館にてご覧ください。

今回の修復のみどころ

有隣荘洋間

約60年ぶりの修復!

エル・グレコ《受胎告知》は、1922年に児島虎次郎がパリで購入し、1923年にここ倉敷で公開して以降、100年にわたって大原美術館に所蔵されてきました。
この作品が日本にやってきてから一度だけ、1959年に「修復を行った」という記録があります。しかしながら、このときにどのような修復がなされたかは記録が残っておらず、本格的な修復作業としては今回が初めてといっても良いでしょう。
有隣荘食堂

プラド美術館から専門の修復家が来日!

プラド美術館にて絵画修復士として活躍しているエバ・マルティネス(Eva María Martínez Morales)氏を招聘し、大原美術館にて修復作業を行っていただきました。
マルティネス氏は、スペイン・イタリアの近世絵画を専門とする修復士で、エル・グレコ作品への深い見識を持っておられます。
有隣荘一階和室

エル・グレコが描いた当初の色彩が復活!

この度の修復では、大原芸術財団の研究員・学芸員と、修復士マルティネス氏とが、共に作品を前にして状態を確認し、意見交換を行った上で「エル・グレコが描いた当初の姿に限りになく近い状態へ戻す」という基本方針を打ち立てました。それに沿って蓄積された表層の汚れや後世の加筆・修復箇所の除去を行い、鮮やかな色彩とエル・グレコ独特の表現がよみがえりました。

小見出し

サンプル 太郎
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VOICE

修復工程をYoutubeにて公開中

エバ・マルティネス氏による
修復作業の様子をご覧いただけます!

企画詳細

会場
大原美術館 本館3室
会期
見出し
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クラレ財団よりメッセージ

エル・グレコ《受胎告知》 修復プロジェクトについて本作品《受胎告知》は、スペインの巨匠エル・グレコによる傑作であり、大原美術館の所蔵品の中でも特に重要な作品のひとつです。
2025年、約60年ぶりとなる本作品の修復が、公益財団法人大原芸術財団と一般財団法人クラレ財団の協働により実施されました。修復には、スペイン・プラド美術館から専門の修復家のEva María Martínez Morales氏を招聘し、専門の技術と知見を結集した取り組みとなりました。

クラレ財団は、美術振興への貢献を目的に、長年にわたり大原芸術財団が所蔵する美術品の修復支援を行ってきました。今回の修復もその一環であり、クラレグループが2026年に迎える創立100周年記念事業に位置づけられます。また、修復作業に併せて、作品の高精細デジタル画像化や、修復の過程を記録したドキュメンタリー映像の制作も進められています。これらの取り組みは、文化財の保存と継承、そして未来への価値創造を目指すものです。作品の新たな輝きと、文化財保護への取り組みにぜひご注目ください。

アクセス

大原美術館
(地図の赤い印の場所)


お問い合わせ
大原美術館
〒710-8575 岡山県倉敷市中央1-1-15
TEL 086-422-0005
E-mail info@ohara.or.jp

JR山陽本線 倉敷駅より徒歩15分

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